屋根からの雨漏りを放置すると家はどうなるか?
始めに
「天井にシミができてきた!」「雨水が家の中にポタポタ落ちてきた…」と、雨漏りがすると不安になりますね。
その雨漏りが気付いた場合は、すぐに屋根の補修などを行うことが理想です。ただ、二階の出入りの無い部屋や物入れの奥側など見えにくい部分で雨漏りして、気付いた時には天井が相当傷んでいた…という場合もあります。
今回は雨漏りしている事に気付かずに放置していると、どのような事が起こるのかを挙げていきます。
雨漏りを放置していくと、下地木材はどうなるか?
訪問販売員がよく使う「雨漏りを放置していると屋根や家の中がえらい事になりますよー」という言葉。
この言葉はお客様の気持ちを不安にさせます。雨漏りはすぐに補修すれば問題ありませんが、実際に雨漏りに気付かず修繕していない場合・雨漏りした事にすぐに気付いた場合などを、写真を使って挙げていきます。
雨漏り後、すぐに気付いた場合
雨漏りがその一回だけの場合
天井に少しのシミができます。その染みは雨漏りした時は濃く濡れていますが、屋根の補修を行い雨漏りさえ止めればそれ以上にシミが広がる事はありません。そのシミは少しずつ薄くなり、跡は残りますが天井板や柱に悪い影響はありません。
屋根材によっては瓦の下に葺き土や杉皮などがあり、一度ほどの少量の雨漏りならば土や杉皮が水を吸ってくれるので、下地木材が腐食している事はほぼありません。
雨漏りしてから、数カ月経過している状態
天井全体が雨漏りにより木材の浮きや劣化があります。
天井に使用いている木材が何度も水に濡れて、木材を固定している釘やボンドが剥がれている状態なので、天井板やクロスの張替え工事が必要になります。
屋根裏の柱や垂木は状況により補強や取り替えを行うことがあります。
屋根の下地木材は劣化して、傷んでいる野地板や垂木の一部を取り替える場合もあります。
雨漏りにより下地の構造用合板が傷んでいました。このようになると下地木材の取り替え工事が必要です。
下地木材を取り替えた状態です。
補修場所によっては、屋根工事の他にも大工工事・左官工事などが必要になり、大掛かりな補修工事になる事もあります。
雨漏りしてから、数年経過している状態
天井板は雨漏りにより傷んで崩れ落ちています。天井板の張替え工事の他にも屋根裏の柱や垂木も木材自体の劣化や白アリの影響で腐食している可能性もあり、その場合、大掛かりな柱や垂木などの取り替え工事が必要です。
上の写真は屋根工事の途中の写真です。雨漏りにより屋根の一部が極端に下がっている部分があり、瓦と下地木材を外すと垂木(角材)が腐食して朽ちていました。
このような状態だと不注意によりこの辺りを歩くだけで、下まで抜け落ちる可能性が大きいです。補修するにも細心の注意が必要です。
屋根の方も雨漏りしている瓦の補修だけではなく、瓦の下にある下地木材・軒先の木材・モルタルの壁なども傷んでいる事があります。
こちらの屋根は雨漏りによって垂木が数本折れて、軒先が崩れる寸前で危険な状態です。
その場合、屋根工事だけではなく大工工事・左官工事・塗装工事・板金工事など様々な業者による補修が必要になります。
雨漏りを放置している背景
・ご高齢のお客様だけが住んでいて、二階の部屋に上がる事が無く家族の方が来た時に雨漏りに気付く
・空き家で、家の掃除に来た時に気付く
・雨漏りの修理を行っているが、何度補修しても止まらない
などがあります。
当社でも雨漏りの修理にお伺いして、その時は原因を突き止めて補修できたと確信していたのですが、後日に「同じ場所から雨漏りしている…」と連絡が届きます。このように、雨漏りしている原因が分からずに何度もお客様の家にお伺いしてご迷惑をお掛けする時も稀にあります。
無事雨漏りを止めた後に、木材がどの程度傷んでいるのかを見て今後に家の耐力に影響があると判断した場合は、その傷んでいる部分を補修します。
例えば
・屋根材を固定するための釘が効かないほど、木材が劣化している
・現状のままで放置すると屋根の一部が崩れる可能性がある
などです。
数回の雨漏りで木材の表面のみがシミがある場合は、雨漏りの補修後は木材が乾燥していくので、木材の補修を行わないことが多いです。
最後に
今回は雨漏りを放置していた場合を挙げましたが、やはり雨漏りに気付いた時はすぐに対策を取り、雨漏りを止める事が一番大切です。
補修がすぐにできない場合は、一時的にブルーシートを被せるなどの応急補修も下地木材を現状よりも傷めない効果があります。
瓦善ではお客様の要望に合わせた雨漏り修理や下地木材の補修工事を行います。
屋根について疑問点などがありましたら、ご遠慮なくお問い合わせください。