2024年09月29日

【屋根の軽量化ができる】瓦の種類と費用は?

・地震や台風の事を考えると屋根を軽くした方が良いのか

・葺き替え工事を検討している。新しい瓦は今の瓦よりも軽い方が良いのか

・葺き替え工事は高額なイメージがあるけど、実際にはどのくらいの費用が掛かるのだろうか

 

大きな地震や台風が起きた後に流れるニュースを見ると、瓦を葺いている屋根が崩れている映像が多く流れます。

このような映像を見ると「瓦はやはり重たい」「自宅の屋根瓦は大丈夫かな」「今後の事を考えて葺き替え工事を検討した方が良いのかな」等の、自宅の屋根に関して不安や疑問を持たれるお客様がおられます。

2018に発生した大阪北部地震(6月)とその復旧途中に直撃した台風21号(9月)では、大阪・兵庫・奈良・和歌山などで屋根瓦の甚大な被害が出ました。その屋根被害の復旧には当社でも2年程の歳月が掛かった事を覚えています。発生直後から「屋根が崩れた」「崩れた所から雨漏りしている」「瓦が落ちそうで危険だからすぐに来て欲しい」など、お客様からの緊急の連絡が鳴り止みませんでした。

当社では数人の職人で工事を行っているので全てを周り切れるわけでは無く、お客様が相当困っている事を承知の上で「申し訳ございません 手がまわらなくお伺いできません」と返答することが数多くありました。そのような経験があるので、{巨大地震や台風などが近づく}などのニュースが流れてくると、「どうか自然災害が少しでも避けて、被害が少なくなって欲しい」と願っています。

全国の屋根工事店や瓦メーカーは、万が一そのような自然災害が発生した場合でも屋根から瓦が{崩れ落ちる・飛来する}ことが無いように、瓦自体の防災化や工事方法の耐震化を進めています。特に2018年以降はお客様ご自身で出来る防災対策として、葺き替え工事等を通して【屋根を軽くするため】に屋根のリフォーム工事を行う事が飛躍的に増えました。

今回のブログでは今後の事を踏まえて軽量化を検討しているお客様に、現状の瓦からどのような屋根材に変更すれば、屋根の軽量化になり、また、どのくらいの費用が掛かるのかをお伝えします。

目次

現状の瓦から軽量化が出来る瓦の種類と費用は?

屋根を軽くする事のメリットとデメリットは?

終わりに

現状の瓦から軽量化が出来る瓦の種類と費用は?

屋根に葺いている屋根瓦(屋根材)は様々な種類があります。ここでは当社が多く取り扱っている屋根瓦を挙げます。

いぶし和瓦(土葺き)・陶器和瓦(土葺き)

いぶし和瓦(土葺き)

陶器和瓦(シルバー瓦)

いぶし和瓦は瓦の表面が艶のない燻し銀色で、年月が過ぎると表面が黒くなることもあります。陶器和瓦はシルバー色・青色・オレンジ色など様々な光沢のある色をしています。上の写真のように陶器和瓦が欠けるとレンガ色の下地が見えます。

それぞれの瓦の下には{葺き土}という粘土製の土があります。新しい瓦の種類によりますが葺き替え工事を行う場合、この{葺き土}の無くなる分が軽量化になります。

現状:いぶし和瓦(陶器和瓦)➡工事後:いぶし和瓦へ

施工前:土葺きいぶし和瓦

施工後:桟葺きいぶし和瓦

{ 重量 } 

瓦を同様のいぶし和瓦に葺き替えた場合、瓦自体の重さはほぼ同じです。重量では{葺き土}が無くなるので、その分の重さが軽量化になります。葺き土の重さの目安は、屋根の大きさが10坪の場合、約1.2t(トン)~1.4tほどあります。ご自宅の屋根の面積が30坪の場合、葺き土だけで約3.6t~4.2tあるのでその分の軽量化になります。

施工前は7.5t~8t程(瓦と葺き土)の重量が、施工後には4.7t程になります。

{ 費用 } :既存瓦と葺き土の撤去処分・防水下地材・下地桟木・瓦葺き

屋根の大きさが100㎡約33坪・一般住宅に多い切妻屋根)の場合

1,600,000円~2,000,000円 (税込み)

現状:いぶし和瓦(陶器和瓦)➡工事後:陶器平板瓦へ

施工前:土葺き陶器和瓦(シルバー瓦)

施工後:陶器平板瓦

{ 重量 }

瓦を陶器平板瓦に葺き替えた場合、瓦自体も少し軽量化になります。

{葺き土}の重さの目安は、屋根の大きさが10坪の場合、約0.9t~1.3tほどあります。ご自宅の屋根の面積が30坪の場合、瓦自体(0.3t)と葺き土(約2.7t~3.9t)がそれぞれの重量が減り、合計で3t~4.2tの軽量化になります。

施工前には7.5t~8t(瓦と葺き土)の重量が、施工後には4.5tになります。

{ 費用 } :既存瓦と葺き土の撤去処分・防水下地材・下地桟木・瓦葺き工事

屋根の大きさが100㎡約33坪・一般住宅に多い切妻屋根)の場合

1,320,000円~1,870,000円(税込み)

現状:和瓦(土葺き)➡工事後:横葺きの板金材

施工後:横葺きの板金材(スーパーガルテクト)

{ 重量 }

いぶし和瓦や陶器和瓦から横葺きの板金材(スーパーガルテクト)に葺き替えた場合、大幅な軽量化になります。

屋根材と下地木材を合わせても4分の1程の軽量化と、葺き土の重量分が軽量化になります。

30坪の屋根面積の場合、施工前は7t程(瓦と葺き土)の重量が、施工後には1.3tほどになります。

{ 費用 }:既存瓦と葺き土の撤去処分・不陸調整・構造用合板工事・防水下地材・屋根材葺き

屋根の大きさが100㎡約33坪・一般住宅に多い切妻屋根)の場合

2,300,000円~2,900,000円

*それぞれの費用には足場工事、下地木材が痛んでいる場合の木材補修は入っていません

*屋根形状と工事内容により費用と重量は前後します

屋根を軽くする事のメリットとデメリットは?

葺き替え工事を通して屋根全体の重量を軽くする事にはメリットとデメリットがあります。

ここでは当社が今までお客様とお付き合いしてきた中で、お客様目線からのメリットとデメリットをお伝えします。

メリット

施工途中:いぶし和瓦下にある葺き土の状態

施工写真:葺き土を取り除いた状態

上記の屋根では葺き土だけで約9t程ありました。

・家の柱や構造に掛かる重量が少なくなるので、家全体の重量負担が少なくなる

・今後、屋根に関して安心できる

・屋根で疑問を感じた時に、気軽に問い合わせができる屋根業者がいる

屋根工事を通して、屋根の軽量化はもちろんですが、私が今までお客様とお話してきた中では{屋根について安心できるようになった}事が大きいと感じています。

デメリット

・葺き替え工事になるので、工事費用が大きくなる

・家の状況により、家自体の補強(柱や壁)が必要になる

現状の瓦と葺き土を取り除いて、新しい屋根材に葺き替える工事になるので費用がどうしても高くなります。そして、安全対策と近隣対策として家周りに単管足場が必要になり、その足場工事費が上記の費用から追加して掛かります。

屋根に関してはできる限りの耐震工法を行い、お客様の要望に沿えるように工事を進めていきますが、家の躯体や柱に問題がある場合は工務店や大工さんに依頼する事になります。家の劣化を塞ぐため・補強を行うためにはどうしても必要になるので、その工事分の費用が掛かります。

 

終わりに

ここまで読んでいただきましてありがとうございました。

今回は葺き替え工事を通して{屋根の軽量化}についてお伝えしました。上記に挙げた工事例は様々にある工事の一例です。

・我が家の屋根ではどのような工事が出来るだろうか?

・他の屋根材を使用したら費用はどのくらい掛かるだろうか?

・上記のような瓦ではないが、現状がカラーベストの場合は重量と費用はどのようになるのか?

など、屋根工事を検討している時に様々な疑問や不安が出てきます。

そのような疑問や不安点がありましたら、当社までお気軽にお問合せください。