屋根葺き替え工事
2024年08月30日

屋根を【洋風瓦】に葺き替えるメリット・デメリットとは?

・費用を抑えて耐久性の高い屋根材はある?

・和風の瓦から洋風の瓦への葺き替えを検討している

・洋風瓦に葺き替えするメリットとデメリットはある?

「費用を抑えて、なおかつ耐久性の高い屋根材はありますか?」とお客様からお聞きする事があります。

そのような時はお客様の希望と屋根の状況によりますが、様々な家の形状に馴染みやすい【陶器平板瓦】と答える事が多くあります。

屋根に使用している材料には{和瓦・洋風瓦・金属屋根}等の様々な種類があり、その中でも洋風瓦(陶器平板瓦)は人気のある屋根材です。

人気のある背景には、【耐久性が高い・比較的に安価・色が選べる】などがあり、新築の屋根瓦や葺き替え工事の屋根材として多く選ばれています。

屋根材には上記のように様々な種類があり、そして、それぞれにメリットとデメリットはあります。このブログでは洋風瓦(陶器平板瓦)に葺き替えた場合の良い点・他の屋根材と比べると劣る点を中心に伝えます。

このブログで屋根工事を検討している時に、屋根材の種類を決める判断の一つになれば幸いです。

目次

洋風瓦(陶器平板瓦)について

現状の屋根材から洋風瓦に葺き替えするメリットとデメリットは?

費用と工事後のメンテナンスについて

終わりに

洋風瓦(陶器平板瓦)について

洋風の屋根材を大きく分類すると{陶器平板瓦・S瓦・板金屋根材}などと様々な種類があります。

S瓦と板金屋根材も仕上がりが洋風になるのですが、内容が多くなるので今回のブログでは陶器平板瓦に限定します。

新築の屋根や屋根瓦の葺き替え工事で使用される事が多い屋根材で、愛知県(三州産)と兵庫県淡路島(淡路産)で製造された陶器平板瓦が、近畿圏の屋根で多く使用されています。

上の写真のように、横筋の下地木材に瓦を引っ掛けてからステンレスビス又はステンレス釘で固定します。また、瓦と瓦が引っ掛かるためのフックが付いて防災機能が高くなっています。

陶器平板瓦の中でもフラットタイプの屋根材を葺くとスッキリした仕上がりになります。

 

現状の屋根材から洋風瓦に葺き替えするメリットとデメリットは?

ここでは現状の瓦から陶器平板瓦に葺き替えた場合のメリットとデメリットをお伝えします。

奈良県大和郡山市で葺き替え工事を行った、陶器和瓦(上の写真・シルバー瓦)から陶器平板瓦(下の写真)の工事現場です。

メリット

耐久性が高い

陶器平板瓦やS瓦は材料を焼成して仕上げるので、数ある屋根材の中でも耐久性が高い材料になります。

屋根材の中には10年~15年と過ぎてくると表面の劣化が出てくる場合もありますが、陶器平板瓦に関しては雨漏り等が無い限りは20年~30年、又はそれ以上の{瓦の割れ・欠け}が無い安定した状態が続きます。

いぶし和瓦や横葺きの板金材と比べると費用が安い

多くのお客様が陶器平板瓦を選択する理由に、いぶし和瓦と横葺きの板金材と比べると{費用を抑えられる}事が挙げられます。

屋根の形状によりますが、いぶし和瓦と横葺きの板金材は陶器平板瓦と比べると1.5倍程高くなります。耐久性はいぶし和瓦と同等なので、耐久性があり費用も抑えられる事が選ばれる理由になっています。

色が数種類あるので、好みの屋根に仕上がる

瓦メーカーによりますが、当社が主に取り扱っている陶器平板瓦には{黒・銀黒・こげ茶・深緑}の4種類があります。

お客様好みの色・家の雰囲気・壁の色と合わせる事が可能です。

 

デメリット

板金屋根材と比べると重量が重くなる

現状の瓦から陶器平板瓦に葺き替える場合、瓦の下に葺き土があればその分(葺き土)の重量は無くなりますが、瓦自体の総重量は大きく変化しません。

その点については板金屋根材の方が圧倒的に重量が軽くなので、葺き替え工事を行う主な理由が{軽量化}の場合には陶器平板瓦はお客様の要望に合わなくなります。

瓦が廃盤の可能性がある

いぶし和瓦は何百年と昔からあるので今後も変わる事のない屋根材になります。ただ陶器平板瓦は多くの製造メーカーが様々な種類を作っています。その中には{製造メーカーの倒産・事業効率化の為に製品数を減らす}などの理由で、10年前にはあった陶器平板瓦が現在は廃盤になり同様の瓦が無い事が出ています。

15年ほど前に葺き替え工事を行ったお客様の屋根で、隣のグラウンドから野球ボールが飛んできて屋根に当たり瓦数枚が破損した事がありました。陶器平板瓦を使用していたのですが、その瓦のメーカーは倒産して当社でも同じ瓦の在庫が無い事がありました。ただ、同様のサイズと形が近い陶器平板瓦があったので、その材料で差し替えした事があります。

そのような経験があるので当社はいくらかの在庫を置くようにしています。

 

費用と工事後のメンテナンスについて

費用について

現状の瓦から【陶器平板瓦】に葺き替えた場合

13,000円~18,000円/1㎡あたり+単管足場代の費用が掛かります

単価の範囲が広いのは、工事前に使用している屋根材と下地木材の状態によって費用が大きく変わります。例えば、

・瓦の下に大量の葺き土が入っている場合

下地木材が雨漏り等によって補修が必要な場合

・カラーベスト(アスベスト含有材)を葺いている場合

・セキスイカワラU(アスベスト含有)を葺いている場合

*屋根の改修工事でセキスイカワラUを使用した場合、この屋根材の下にカラーベストを残して葺いている事が多くあります。この場合、セキスイカワラUとカラーベストの両方共を取り除く必要があるので、費用(撤去と処分費用)も通常の2倍掛かる事があります。

 

食品や日用品が日々値上がりしているように、屋根工事で使用する様々な材料も値上がりしています。

2~3年前と比べると5割から6割ほどの値上がりがある屋根材もあり、良い屋根材ですが費用が高いのでお勧めできにくい材料も出てきています。

工事後のメンテナンスについて

20年後~30年後と経過した時にどのようなメンテナンスが必要か?

陶器平板瓦は焼成した屋根材です。表面の色は工程の中で色を塗り、その上から焼成しているので色が大きく劣化する事はありません。

・台風や強風などで物が屋根上に飛んできて瓦が割れる

・屋根瓦(屋根工事)が原因で雨漏りしている

上記のような事があればすぐに対応する必用はありますが、このような事が無い限りは20年~30年と経過していてもメンテナンスを行う必要はありません。

{陶器平板瓦・S瓦・いぶし和瓦}などの焼き物の屋根材は表面塗装を行う必要もありません。間違えて塗ってしまうと、瓦の劣化を早める事になるので注意が必要です。

一方で、カラーベストやモニエル瓦などの素材がセメント系の屋根材は20年~35年と経過すると、塗装工事や葺き替え工事などを検討する必要があります。

終わりに

このブログをここまで読んでいただき、ありがとうございました。

冒頭に書いたように数ある屋根材にはメリットとデメリットがあります。それを踏まえた上でお客様の希望に沿う屋根材を見つけてもらい、納得のいく工事が行える事を望みます。

・わが家の屋根材ではどのような工事が良いだろうか?

・この家に洋風の瓦は合うのだろうか?

など様々な疑問や要望があると思います。屋根に関して悩み事がありましたらご遠慮なく当社までお問い合わせください。