雨漏りの原因は?

これまでに様々な雨漏りの修繕やその他の修繕工事をさせていただきました。その経験から、雨漏りの原因や傷みやすい部分など、屋根で傷みやすいポイントをご紹介します!

瓦の劣化や、雨の通り道である“谷”という部分も、時間がたつと劣化し、雨漏りの原因となります。
こちらでは、実際に当社が雨漏りの修繕を行った現場の写真を掲載しますので、参考にしてください。

「今は雨漏りしていないけれど、そろそろ心配…」というお客様も、現在の屋根の状況を見て、プロがアドバイスしますのでお気軽にご相談くださいね。

上図は屋根の部分をどう言うのかを示した図です。

雨漏りの原因となる部分

陸棟からの雨漏り

  • 陸棟とは屋根の一番高い部分、三角形でいうと頂点にあたるような部分で、のし瓦という瓦が数段積まれ、その上に冠瓦という半円の形の瓦などを載せます。
  • のし瓦の下の白っぽい部分がシックイです。シックイは防水効果があり、大棟に限らず他の部分でも使用されます。
  • のし瓦や冠瓦がずれたり、シックイがはがれたりすると防水効果が劣化して、雨水が棟部分に浸透しやすくなります。そこから棟の劣化が始まり、雨漏りの原因となります。また、棟部分の下の地瓦がきちんと葺いていない場合も雨漏りの原因となります。

隅棟からの雨漏り

  • 隅棟とは、陸棟の端から斜めにのびる部分で、陸棟と同様にのし瓦や冠瓦を載せます。
  • 上の写真は築26年ほど経過している隅棟部分です。隅棟と周りの瓦が経年劣化によって瓦の表面が剥がれて、様々な部分から雨漏りしていました。
  • 隅棟も、のし瓦のずれや欠け、シックイのはがれなどで棟の劣化が始まり、雨漏りの原因となります。また、棟部分の真下の地瓦が正しく葺いていない場合も雨漏りの原因となります。

谷からの雨漏り

谷とは、屋根の二つの斜面の流れが重なり合う、雨の通り道となる部分です。谷には「ステンレス・鉄板・銅板」などの板金を敷きます。

屋根の接点部分に施工している板金(銅板)が、劣化により穴が開いています。

  • 銅板が劣化してくる兆候は、雨水の多くあたる部分が変色して銅板が薄くなり、穴が開きます。この谷部分に穴が開くと、かなり多くの雨水が部屋の中に漏れます。
  • 鉄板が劣化してくる兆候は、鉄板全体に錆びが出てきて傷んできます。
  • また、谷板と瓦の間に、土とシックイを詰め込んでいる屋根を多く見るのですが、雨水が多く流れる板金の上に土やシックイを置くと水を吸い込んで、雨漏りを起こします。
  • この部分で正しい葺き方をすると、よくお客様から「瓦と谷板の間に隙間があるけど大丈夫?」と聞かれるのですが、板金の上ではなく、水が当たらない奥の方にしっかりと土を入れているので、全く問題ないです。
  • この部分を直す方法は、現状の傷んだ銅板か鉄板から丈夫なステンレス板に取り替えて、谷板周りの瓦も正しく葺き直します。

コーキングの塗り過ぎによる雨漏り

瓦を固定するためにコーキングを塗っていますが、塗ってはいけない部分にコーキング工事をしているために、雨水の通り道が塞がれ、水が逆流しています。

築45年ほど経過した、いぶし和瓦の屋根です。全面コーキング工事を行う一年前ぐらいから雨が漏れ始めました。その時に来た業者は、瓦の微妙な隙間から雨が漏れていると判断して隙間を全て埋めるコーキング工事を行いました。しかし、雨漏りは止まりません。雨漏りの原因は違う部分にあったのですが、この業者はそれがわからず、さらにコーキングの上塗りを行いました。もちろん、雨漏りは止まりません。これが3回ほど続きました。

この状態になると部分的は修繕は不可能で、雨漏りを止める方法は葺き替え工事を行うしかありません。
この屋根で雨を止めるのに、コーキング工事(8万円ほど)と葺き替え工事(約65万円)で合計73万円ほどの費用が掛かりました。しかし、本当ならば部分的な補修工事の9万円ほどで雨漏りは止まっていたのです。

  • 地瓦の重なり部分の隙間すべてにコーキング(左側の写真)を塗っているため、地瓦の裏面に付く結露などの水を流れ出す場所がなく、右側の写真のように瓦の内面に雨水を溜め込み、雨が漏れます。また、表面のコーキングを塗っている部分でも数箇所で穴が開いており、そこから雨水が瓦の内面に入り込み雨が漏れます。
  • また、瓦と野地板の間の通気機能がなくなることで、蒸れて野地板の腐敗につながります。通常は、もし大雨で雨水が瓦の重なり部分の隙間に入り込んでしまっても、また隙間から流れでるような仕組みになっています。
  • {瓦の裏面に付く結露について}例えば冬場の家の窓ガラスに付く結露と同じで、瓦の裏面にも結露ができます。この水滴を瓦の外に出すためにも瓦の隙間は重要です。この部分にコーキングで塞ぐのは、瓦の劣化を進めて、また下地木材の劣化を進めます。

地瓦の割れによる雨漏り

  • 築25年程経っている屋根です。瓦が割れており、雨漏りしていました。
  • 赤丸の部分には、瓦を固定するための釘に鉄釘を使用していました。鉄釘が錆びて元々の大きさより膨張し、瓦の釘穴を圧迫して瓦が割れました。
  • 当社の瓦の固定には鉄釘を使用せず、丈夫なステンレス製のビスや釘を使用します。