古都奈良市には瓦屋根がよく似合う!

そのような瓦屋根の修理について解説

奈良市はじめ瓦屋根の住宅が並ぶ風景は、まさに日本の原風景で落ち着いた趣があります。そのような瓦屋根も時間の経過で確実に劣化します。瓦屋根の劣化を放置しておくと、そこから雨水が浸み込み、雨漏りを発生させることもあるのです。雨漏りは屋根のみならず、住宅全体に悪影響を与えます。今回は、瓦屋根の修理について紹介します。

1. 屋根瓦の種類

現在、住宅に使用されている屋根瓦を大別すると、粘土瓦・セメント瓦・コンクリート瓦(モニエル瓦)の3種類になります。それぞれに特徴があり、地域や気候なども考えあわせ、住宅に最適となるタイプが選ばれているのです。

1-1. 粘土瓦

粘土瓦は、昔から屋根に使われている瓦です。粘土を成形して1,000℃以上の高温で焼きます。耐久性が優れている点も特徴です。粘土瓦は着色方法で、さらにいぶし瓦・釉薬瓦(ゆうやくかわら)・無釉薬瓦(むゆうやくかわら)に分類されます。

着色には塗料を使用していないので、塗装のためのメンテナンスはありません。 粘土瓦の特徴は秀でた耐久性のよさです。釉薬瓦の耐用年数は50年~100年、いぶし瓦は30年~50年ほどあるといわれています。瓦屋根は他の屋根材と比較しても、各段に長い寿命を誇っているのです。

1-2. セメント瓦

セメント瓦は、セメントと川砂を混ぜ合わせて型枠に入れ、プレス→脱水→成形→塗装でできた屋根瓦です。多数の形状があり、価格も安く、以前は多くの住宅の屋根瓦として使われていましたが、現在はほとんど使用されていません。他にも、セメント瓦の製造工程で、砂利を混ぜたコンクリート瓦(モニエル瓦)があります。しかし、代理店の日本モニエルという会社が2010年に撤退し、それ以降は生産されていません。

2. 瓦屋根の構造

奈良市のような古都には粘土瓦がよく似合います。そもそも、瓦を屋根に並べて敷くためには、土台となり、下地となる屋根の構造が重要なのです。この章では、堅牢な瓦屋根となるための屋根の構造について紹介します。

2-1. 瓦を支える「垂木」

垂木(たるき)は、屋根の傾斜に沿って屋根の上から下へ流れている構造材です。

屋根の基本で、勾配のある屋根には必ず設置されていて、屋根面の荷重を支える役割があります。 通常、垂木は約45cm間隔で設置されます。
瓦の固定などもこの垂木に合わせて釘を打てば強度が向上するのです。

2-2. 垂木の上に貼る「野地板」

野地板(のじいた)は屋根の下地材で、垂木の上に貼ります。防水紙や瓦を敷くための土台部分で、野地板の上に防水紙を敷き詰め、瓦を設置していきます。野地板の耐用年数は構造用合板の場合、約30年といわれているのです。

2-3. 防水紙(ルーフィング)

防水紙は、野地板の上に設置するシートです。防水紙が実質的に雨漏りを防いでくれるのです。屋根に降った雨水が、瓦が割れていたりしたときに、その割れ目から浸入します。しかし、防水紙があることで、それ以上建物内部に浸入しないのです。逆にいえば、防水紙に不具合があれば、雨漏りが起きるのです。

2-4. 屋根材になる「瓦」

日頃目にするのが、屋根の外側になる「瓦」です。瓦は防水紙の上に敷かれます。瓦は、一年中風雨にさらされ、太陽光を浴び、紫外線の照射を受けます。また瓦は住居の外観にあたり、重厚な造りの住居から個性的なハウス、落ち着きある佇まいの住宅まで演出するのです。

3. 瓦屋根修理の時期

耐久性が優れた粘土瓦でも、時間の経過で修理が必要となるケースは発生します。実際には個々のケースで異なりますが、一般的に瓦屋根の修理を行うタイミングの目安は、「瓦屋根の耐用年数が近づいたとき」と「瓦屋根に劣化症状が出てきたとき」です。

3-1. 耐用年数が近づいたとき

奈良市などでよく見かける粘土瓦は、耐用年数が30年~50年ほどと長いのですが、屋根の下地部分となる野地板や防水紙の耐用年数はそこまで長くありません。

一年365日、暑い日も寒い日も、外気の中に立ち続ける瓦屋根は確実に劣化しています。雨漏りがなくても20年を一つの目途にして、メンテナンスすることをおすすめします。

3-2. 劣化症状が出てきたとき

瓦のヒビや割れなど、瓦屋根に劣化症状が出てきたら、雨漏りや瓦の落下事故が起きる可能性も高くなります。瓦の割れやヒビは早めに修理するようにしましょう。他にも瓦屋根の劣化症状はあります。屋根瓦の塗装が剥がれたり、色あせが進行していたりしたら劣化症状です。また、建ったときには規則正しく並んでいた瓦がズレてきたり、屋根の頂上部にある棟の部分の漆喰割れや崩れも要修理です。 ただし実際に自分で屋根に上がって、屋根の状態を観察するのは危険がともないます。まず新築や葺き替え後10年過ぎたころから、メンテナンスのために屋根業者に正しい現状の点検をしてもらうことがおすすめです。

4. まとめ

奈良市のような歴史ある都市には瓦屋根の住居がよく似合います。なかでも、和瓦といわれる粘土瓦が最適です。粘土瓦は長い耐用年数ですが、それでも時間の経過で確実に劣化します。屋根は自分で直接目にすることは難しい面もあり、一定の期間が経過したら屋根業者に定期点検を依頼してメンテナンスをすると、いっそう耐用年数が延びるのです。 「有限会社 瓦善」は、本社が奈良県生駒郡平群町にあり、奈良県香芝市に香芝店があります。創業45周年を迎えた工務店で、屋根のプロ職人がさまざまな屋根修理と工事に対応しております。⾬漏り修理から経年劣化の修理まで、屋根のトラブルはすべて承っておりますので、どのようなことでも当社へご相談ください。