瓦の重量
2017年01月19日

瓦の重たさについて

最近お客様からのお問合せで多いのが、{瓦の重量}についてです。

そして、「現状の屋根瓦の重たさで家は大丈夫か?」・「瓦が重たいので軽い屋根材に葺き替えたい」

「震災後の瓦が崩れている映像を見て、自分の家ではどうなるのか?」などの

不安や疑問を聞くことが数年前から多くて、さらに前年の熊本地震でより多くの

質問を受けるようになりました。

 

まずは{重い屋根瓦}と言われる、

日本家屋で多く使用している{燻し和瓦}の昔からの工法についてです。

 

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築40年ほど経過している燻し和瓦の屋根です。

 

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瓦下の葺き土です。 こちらの屋根ではかなり多くの葺き土を使用していました。

 

25年ほど以前の屋根葺きには、瓦下に粘土に藁を混ぜた{葺き土}を置いて瓦をなじませながら

葺く工法が主流でした。

そして、瓦自体の固定は屋根の先端部分(軒先)や屋根端部分(ケラバ)などに、銅線や釘で

固定しています。

 

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軒瓦を銅線で固定しています。

軒先以外の地瓦(真ん中面の瓦)はほとんど固定してなく、葺き土を瓦でなじませて{ひっつけている}状態です。

 

以前の屋根葺き工法では、葺き土を使用しているので30年~40年ほど経過すると

どうしても葺き土の粘着力や強度が落ちて、瓦がズレてきます。

 

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軒先部分の固定線が切れて、瓦がズレ落ちています。

この状態になると瓦はもちろんですが、下地の葺き土も一緒にズレているので

補修がかなり難しいです。

 

お客様と話をしていて私が感じるのは、「重い屋根材を使用していることで、テレビで流れていた映像と

同様のことが起きるかもしれない」とすごく心配していることです。

 

テレビや写真で瓦が崩れ落ちている映像をみていて、私からすると{瓦の重さ自体}よりも、

{瓦葺きの工法}や{家の構造}に問題がなかったのかなと思うことがよくあります。

 

屋根屋である私は質問を受けると、

「現状の屋根を確認してお客様の不安・希望・予算などをお聴きした上で、一番良い方法を一緒に考える」

ことを意識しながら、いつもお客様と話をしています。

 

そして、

部分的な補修工事を行う。

屋根瓦の葺き替え工事を行う。

何もしない。

などと、どれかの選択を考えます。